2005年03月16日

005:サラダ(8)

悪いけど聞いてなかった。それよりさ、サラダおかわりしてもいい? だめ?(麻生智矩)

 だめ。
ニックネーム 秋 at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010

005:サラダ(7)

ジコチューな男を捨てし後に食む七月六日のシーザーサラダ(飛鳥川いるか)

 サラダに自己中な男は似合うのか?
 どうも似合うようで。
 しかしながら、自己中な男よりも、自己中な男に思いを馳せる女にも、似合うようで。
 サラダを食みながら、彼女は思っている。明日の七夕に現れる、自己中な男のことを。捨ててもなお、思っている。シーザーサラダには、そういう効用があるのです。七夕の前日に食べると、男のことを思い出させる効用。
ニックネーム 秋 at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010

006:時(6)

教室で貴女と交わした口づけは時が止まると思っていたけど(桶田 沙美)

 つまり、時は止まらなかった。
 教室っていうのは、特異な空気で埋まっている。ある条件が満たされれば、多分、その空気は時でさえも止めてしまうのだと思う。
 だけど、この口づけは、その条件を満たさなかったのだ。
 時を止めるだけの安直さを持たない口づけだったのだ。
 その理由を、時が止まることを恐れて目を閉じていた貴女は、たぶん、知らない。
ニックネーム 秋 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 001〜010

004:淡(10)

ふたりとも黙ってられない風船のふくらんでいく淡い水色(杉山理紀)

 風船は、色を失いながら膨らんでゆく。
 ふたりが発する言葉と空気が、風船を満たしてゆく。
 水色、というのがいいなあ、と思いました。
 膨らんでいった風船が弾けたとき。
 ふたりは、同時にしゃがみ込む。風船のかけらを拾い集めるために。後悔のかけらを、ポケットからこぼしながら。
ニックネーム 秋 at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010

003:つぼみ(9)

思い出をひらがなにして眠る夜のつぼみのなかのあなたにさわる(杉山理紀)

 うー、この空気、とてもすきです。
 思い出をひらがなに解くとき、ある種の逆行が起こるんだ。その空気は、なめらかな空気で、どうしても目を閉じたくなる。目を閉じれば、なめらかな眠りで、無意識的になめらかな空気の中に手をすべらせたくなる。そうしてさわる、つぼみ。つぼみのなかに、なめらかに、指を、のばす。
 そこにあなたがいる。
 ある種の逆行、なめらかな時間の奥に。
 ひそやかな昔のこと。
ニックネーム 秋 at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010

2005年03月13日

007:発見(3)

昨夜からずっとミジンコしています君よ発見してくれたまえ(ハナ)

 らじゃ。
 安心して。
 いますぐ行く。
 だから安心して明日の晩くらいまで、ミジンコ、していてくれたまえ。
ニックネーム 秋 at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010

013:焦(2)

焦点の定まらざりし眼鏡にて世界を見れば悩み少なし(究峰)

 ほんとに…
 すごくつらいしあわせだ。それは。
 だって、せかいはうつくしいんだから。
 でも、そのしあわせ。ちょっと、欲しい。
 わざと、度の合わない眼鏡をかけて夜景を見たら、泣きたくなっちゃうかも知れないけど。
ニックネーム 秋 at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 011〜020

004:淡(9)

加速する淡さのなかで冬空の輪郭さえもあやふやになる(野良ゆうき)

 冬が終わろうとしています。
 冬の空っていうのは、すごく澄んでるというか、きれいだと思う。それは「はっきりさ」もあるのかも。
 春になると、ちょっとずつ、空は淡くなる。
 一度淡くなり始めると、大抵の場合、一気に加速して淡くなっていく。
 いま、そういう時期だと思いませんか。
 そういう時期に、空を見上げられる余裕を、いま、持てたこと。
 それを、すごく、誰かに感謝したいと思います。
ニックネーム 秋 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010

013:焦(1)

恋のさき楕円の焦点解くように青いインクで求めてみれば(貿易風)

 青いインク!
 冷静なんだなあ…そりゃ、焦点解くなら、冷静じゃなきゃいけないんでしょうか、やっぱ。
 恋して、そいで、その先を求めることって、できるのかなあ。なんか、ちょっと怖い。自分が青いインクで文字を書けてるのかな、って思うと、絶対そうじゃないような気がして、とても怖い。
 楕円の焦点は、結局、解く方法を覚えられなかった。仕方ないのでいつも座標とエックスと置いてどーのこーの、でやってました。公式覚える方が百倍も早いだろうに。どうしても、覚えられなかった。焦点の解き方。
 恋は、楕円なんだろうな、と思う。間違っても、円じゃないんだろうな、って。片思いのときは、むしろ円なのかも知れない。狂おしく思えば思うほど、円なのかも知れない。だけど両思いに片足突っ込み始めると、どんどん歪んできちゃうのかも。前はさ、お互いが持ってる半径を、無意識に許容して納得したたのに、それが少しずつ崩れていって、半径が崩れて、そして楕円になっていくんじゃないかな、って。
 恋のさき、求めて。
 求めて、そのあと、どうなるんだろう。
 あたしなら、死にたくなるくらい、恥ずかしくなるかも知れないし、泣きたくなるくらい、相手を嫌いになるのかも知れない。それか、叫びだしたくなるくらい、もっともっと、すきになれるのかな。
ニックネーム 秋 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 011〜020

001:声(12)

声のする方に行つてもいいですか目隠しのままたたずむわたし(尾崎弘子)

 行ってください。それでいいと思う。
 だって。だめなら、かみさま、なぜ声をにんげんにもつくったの?
 かみさま。声をつくったりゆう、教えてください。
ニックネーム 秋 at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 001〜010